世界的に名高いジュエリーブランドの中でも、ダイヤモンドカッター(研摩職人)が、自社に在中しているジュエラーを「カッターズブランド」と言います。
その中でも、ジュエラー独自のダイヤモンドカッティング技術に優れた、世界3大カッターズブランドは「ロイヤル・アッシャー(ROYAL ASSCHER)」「モニッケンダム(MONNICKENDAM)」「ラザール ダイヤモンド(LAZARE DIAMOND)」です。
ダイヤモンドの品質基準は、Cut(カット)・Carat(重さ)・Color(色)・Crality(透明度)の4つの要素から「4C基準」と言われており、ダイヤモンドのカッティング技術によって、原石をさらに輝かせることができます。
それぞれのジュエラーごとに違ったカッティングを施すことで、独自の光を放つダイヤモンド美しさを見出す3つのカッターズブランドの特徴を見てみましょう。
ロイヤル・アッシャー(ROYAL ASSCHER)
ロイヤル・アッシャー(ROYAL ASSCHER)は、1854年オランダのアムステルダムにて、ダイヤモンド業界で名高いジョセフ・アイザック・アッシャーにより創業されます。
世界最大のダイヤモンド「カリナン」(3,106カラット)のカットを成功させ、依頼した大英英国クラウンジュエルとして飾られたことで、ロイヤルアッシャーのカッターとしての卓越した技術を世界に示しています。
1980年には、オランダ王女から世界で唯一「ロイヤル」の符号を与えられらブランドになりました。
ロイヤルアッシャーのダイヤモンド
ロイヤルアッシャーは、ダイヤモンドの原石から選び抜いた、白さと明るさを兼ね備えた、世界中の上位5%の最高品質のみの原石を使用しています。
ダイヤモンドの輝きには、白く光り輝く「ブリリアンス」と虹色に輝く「ディスパージョン」反射により輝く「シンチレーション」の3つの煌めきがあり、ロイヤルアッシャーでは、ヨーロッパで好まれている伝統的な「ブリリアンス」の白くて高貴な煌めきを求めています。
ダイヤモンドは、なによりも表面の研磨に時間をかけることで、光の乱反射を防ぎ強い輝きを放つことができます。ロイヤルアッシャーでは、特殊なダイヤモンドの粉を用いて、丹念に研磨に時間をかけることで、鏡面のようみ仕上げ、最高に煌めくダイヤモンドを生み出します。
ロヤルアッシャーのダイヤモンドは、1902年に発表した、58面の「アッシャーカット」に加えて、2000年には、新たに74面仕上げの「ロイヤルアッシャーカット」を発表したことで、世界中の注目を集めました。
モニッケンダム(MONNICKENDAM)
1890年にオランダ・アムステルダムで設立された「モニッケンダム(MONNICKENDAM)」は、イギリスを拠点としたダイヤモンドジュエラーです。
卓越したダイヤモンドカッターとしてオランダ・アムステルダムで、「マスターカッター」の名を馳せていた初代ルイ・モニッケンダムは、英国のダイヤモンド界の発展に大きく貢献しています。
モニッケンダムは、1948年エリザベス女王の婚礼に、タンザニア政府からお祝いのダイヤモンド原石のカッティングを務め、1966年には、クイーンズアワード英国産業賞(Qeen’s Award to industry)を賜ったことで、世界的にも有名となったブランドです。
モニッケンダムのダイヤモンド
モニッケンダムのダイヤモンドは、ブリリアンシーの白くラグジュアリーな輝きです。
最高品質のダイヤモンド原石を選別して研磨できるのは、ダイヤモンドカッターのみが誇る技術で、原石の個性を見抜き、最大限に白く光り輝くため、命を吹き込みます。
ブリイアンカットのガードル部分を磨く「サークル オブ ラスター」を施すことで、真上からダイヤモンドを見た時に光の輪ができます。いまではポピュラーですが、モニッケンダムが最初に行った技法です。
モニッケンダムのダイヤモンドは、正確なカッティングプロポーションに、乱れのない独自の「スパークリングフィニッシュ」によって、世界最高水準の磨きをかけて光放っています。
ラザール ダイヤモンド(LAZARE DIAMOND)
ラザール ダイヤモンド(LAZARE DIAMOND)は、創始者のラザール キャプランによって、1903年ベルギーのアントワープにて設立され、1914年には、ニューヨークに本拠地を移しました。
1936年に巨大原石「ヨンカーダイヤモンド」(726カラット)のカッティングを成功させ、ラザール キャプテンは「カッティングの魔術師」「Mr.ダイヤモンド」と呼ばれるようになりました。
ラザールダイヤモンドは、ダイヤモンドを個別に識別できるように、世界ではじめてレーザー刻印で国際特許を取得しています。
ダイヤモンドの理想的なプロポーション「アイディアルメイク」を確立したラザールダイヤモンドは、ダイヤモンドの最も美しい輝きにこだわり続けています。
ラザールのダイヤモンド
ラザールダイヤモンドは、一生をダイヤモンドに捧げ、ダイヤモンド評価の基準3C「色Color・カラットCarat・透明度Clarity」に「カットCut」を新たに加え「4C」を提案して、米国鑑定機関のの基礎を定着させたブランドです。
ダイヤモンドの原石の選定では、ゆがみのない希少な正八面体の「オクタヘドロン」を中心に、厳しい品質管理のもと、最高の輝きを独自に開発した研磨材を使用して、すべて手作業で仕上げられています。
数学的理論に基づいた理想のカッティング「アイディアルメイク」は、暗いところでも僅かな光を捉えて、七色に輝かせるダイヤモンドカットです。
ラザールダイヤモンドは、サイドに使用する極小のメレダイヤにもセンターダイヤモンドに準じた基準を設けて、創造的な美と追求しています。
世界3大カッターズブランドのまとめ
世界中の王室から貴族に愛されている「世界3大カッターズブランド」は、厳正な評価基準と卓越したダイヤモンドのカッティング技術を自社に構えるハイジュエラーです。
同じダイヤモンドの原石でも、カッティングによって異なる輝きを放ち、技術と個性が光る「世界3大カッターズブランド」は、他のハイジュエラーとはまた違った趣で、世界を魅了していますね。
とにかく、ダイヤモンドにこだわりたいといなら、この3つのブランドを抑えておくと良いでしょう。