ダイヤモンドは、白く輝くものや虹色に輝くタイプまであるだけでなく、カッティング方法の違いによって輝き方が違います。
そして、ダイヤモンドにはカラーダイヤモンドも存在します。
ダイヤモンドの色合いは、赤系(ピンク、レッド)暖色系(イエロー、オレンジ、ブラウン)寒色系(グリーン、ブルー、パープル、バイオレット)モノトーン系(ホワイト、グレー、ブラック)の12色展開で、モノトーン系とヴラウンを除いた8色が、国際基準である米国宝石学会(GIA)に基づくカラーダイヤモンドとされています。
カラーダイヤモンドの中でも、人気のピンクダイヤモンドは、ダイヤモンドの高貴な透明感と品の良い可憐なピンク色から結婚指輪に用いられることも多く、注目が集まっています。
ピンクダイヤモンドとは?
ピンクダイヤモンドは、もちろん天然の色です。
炭素原子からできているダイヤモンドの結晶に、不純物(窒素原子)が混ざることで炭素原子が欠けて、結晶の屈折などから、ピンク色に輝くのがピンクダイヤモンドです。
不純物のないカラーレスダイヤモンドの最も高いグレードDよりも、ピンクダイヤモンドは、産出量が少なく0.01%になることから、希少価値が高いダイヤモンドとなります。
本来は、カラーレスのダイヤモンドと同じクオリティーならピンクダイヤモンドのほうが、価値が高くなりますが、安価なピンクダイヤモンドの場合は、人工的な処理を施されていると考えられます。
ピンクダイヤモンドの原産地
ピンクダイヤモンドの原産地でも、世界的に評価が高いのは、オーストラリアにある「アーガイル鉱山」から産出されています。
他の鉱山でも不定期にピンクダイヤモンドは産出されるこもありますが「アーガイル鉱山」からは、ある程度定期的に、産出され市場に出回るピンクダイヤモンドの、ほぼ90%を占めています。
天然のピンクダイヤモンドを正規に販売できのは、SELECT ATELIER(セレクトアトリエ)と呼ばれ世界に30数社のみとなっているため、限られたジュエラーが、取り扱いを許されており、より価値のある宝石として他のカラーダイヤモンドよりも注目度が高いのが特徴です。
日本のセレクトアトリエ
- I-Primo(アイプリモ)
- Lucie(ルシエ)
- 俄(ニワカ )
- TRECENTI(トレセンテ )
- gimel(ギメル)
※2019年1月現在
ピンクサファイアとの違い
ピンク色の宝石では、ピンクサファイアも有名ですね。
ダイヤモンドとサファイアは、素材となる鉱物に違いがあり、サファイアはカラーサファイヤも含めコランダムという鉱物に属します。素材の鉱物が異なると「比重・屈折・硬度」も異なるため、ピンクダイヤモンドとピンクサファイアは、まったく別の宝石となります。
ちなみに、ルビーとサファイアは、同じコランダム鉱石になり、ピンクサファイアとルビーの色相が明確に区別ているため、価値もことなります。実際に鑑別が難しいのですが、ピンクサファイアは赤紫系の濃淡で、ルビーは赤系の濃淡とされています。産地にやグレードによって異なるピンクよりのルビーなど素人では、見分けるのが難しくて、わからないでしょう。
ピンクダイヤモンドの選び方
ピンクダイヤモンドの価値は、カラーレスのダイヤモンドと違って、不純物により色合いが変わるため、必要以上にグレードに合わせてカッティングを施すことはせずに、色の濃淡と輝きからなる美しさを基準にしています。
ピンクダイヤモンドには、内包物があって当然のためカッティングによる目減りをするよりも、ダイヤモンドの価値にあたる重量を選ぶ傾向にあります。通常は、カッティンググレードが、高くなるにつれて石が小さく目減りが増えるからです。
カラーレスのダイヤモンドは「4C(カット、カラー、クラリティ、カラット)」ですが、ピンクダイヤモンドはカラーを除いた「3C 」基準となり、カラーレスダイヤモンドと違って、色合いの基準は「Fancy Color」としています。
ピンクダイヤモンドのカラーグレード
ピンクダイヤモンドは、内包物があることが当然のため、カラーレスのダイヤモンドとの違いから、通常23段階のところで、さらに区別した「Fancy Color(ファンシーカラー)」となる9段階のカラーグレードがあります。
通常の最高Dクレードから下となるZクレードを超えるほどの濃い色合いを「Fancy Color」と呼び、ピンク以外でもカラーダイヤモンドと称される色合いの基準です。
ピンクダイヤモンドの色合と種類は「Fancy」以上が良いとされています。
同じピンク色でも、紫よりのパープリッシュピンクやオレンジがかっているオレンジッシュピンクなど、多彩なピンクダイアモンドがあります。価値の評価が高く人気なのは、ノーマルなピンクかパープリッシュピンクになり、オレンジやブラウン系のピンクダイヤモンドの評価は低くなります。
ピンクダイヤモンドのブライダルジュエリー取り扱いブランド
ピンクダイヤモンドの品の良いピンク色が魅力的で、婚約指輪にピンクダイヤモンドを用いたデザインも豊富にみられるようになっています。天然のピンクダイヤモンドを取り扱えるセレクトアトリエは、数少なく2019年1月時点で、日本では5社のみです。
セレクトアトリエ以外で、アーガイル産のピンクダイヤモンドの取り扱いがあるブランドは、異なるルートから仕入れていることになります。
アーガイルピンクダイヤモンドの公式サイトでみると、認定貿易パートナーとして日本でも3社あることから、仕入先なり、セレクトアトリエ以外にに卸しているのではないかと考えられます。
I-PRIMO(アイプリモ)
I-PRIMO(アイプリモ)は「デザイン・品質・サービス・店舗・スタッフ」と5つのこだわりをもって、ブライダルリングの専門店を展開しています。
2008年に、ピンクダイヤモンドの正規販売店「セレクトアトリエ」に認定されました。
惑星や星座をモチーフにした、ストーリー性のある婚約指輪や結婚指輪が、I-PRIMO(アイプリモ)のデザインの特徴です。
俄 NIWAKA(ニワカ )
京都のハイジュエラーといえば、俄NIWAKA(ニワカ)です。
美しい和の情景をデザインに取り入れ想いが込められたクオリティの高いブライダルジュエリーは、ダイヤモンドのカットに、俄NIWAKA(ニワカ)のオリジナルカットを施し、視覚的に大きくみせる効果をもたらしています。
LUCIE(ルシエ)
俄NIWAKA(ニワカ)の姉妹ブランド、LUCIE(ルシエ)は、ローズクラッシクを展開する、アンティーク調のブライダルジュエリーが魅力的です。
ピンクダイヤをメインにした、シャン ドゥ フルールのシリーズは、可愛らしいデザインが豊富に揃えられてまさに花々の祭典といえます。
TRECENTI(トレセンテ )
1989年に銀座に誕生した、ジュエリーブランンドです。
代表作の「フローラシリーズ」は、ダイヤモンドのセッティングにこだわりをみせ「FLORAセッティング」のダイヤモンドリングは、1995年に国際ジュエリーコンテスト「プラチナ・デザイン・オブ・ザイヤー」で入賞しています。
アーガイル鉱山のピンクダイヤモンドは2020年に終了?
アーガイル鉱山は、2002年に閉鉱する予定が、採掘会社なんとか持ち越して2020年までの予定で再開発事業を計画しました。このへんの事情は、ダイヤモンドの採掘の問題だけでなく経済的なことやら絡んでくるため、なんとも不透明な雰囲気です。
採取が少なくなると、ピンクダイヤモンドは、テンダー(ダイヤを買う権利がある会社など)が参加できるオークション方式で買い付けるようになり、より一層の希少価値が高く入手困難になるかもしれませんね。
ちなみに、0.15カラット以下やカラーが、良くないピンクダイヤモンドになると、アーガイル産でも刻印や鑑定書をつけずに、流通させているため、知らずに手に入れてしまうかも?
とにかく、採取量が少ないピンクダイヤモンドは、もし一目惚れしたときには、縁があったと思って迷わず手に入れてみるのも夢があって良いのではないでしょうか?