ビーズや天然石を駆使したデザインのハンドメイドアクセサリーの制作では、主にワイヤーワークとテグスで編む方法がありますね。
ハンドメイドアクセサリーの製作過程では、土台となる金属のパーツにビーズやパールをアレンジながら留めつけていく方法が主流です。見た目が同じようなデザインなのにワイヤー留めをしている場合とテグスを使用して編んでいるアクセサリーがあって、いったいどちらが良いのだろう?迷うっている方も多いのではないでしょうか?
もちろん、用途にあわせて「ワイヤー使いがベスト」な時も「テグスではないと無理だわ」っていうデザインもあるため、一概には言えないのですが、最終的には、経験と好みにあわせて選んで問題ないと思います。
例をあげるなら、コスチュームジュエリーの女王で第一人者のMiriam Haskell(ミリアム ハスケル)さんの作品は、主にワイヤー留めで制作されており、何十年と経った現在でも価値のあるものとして存在することから耐久性に優れていると認識できる技法のひとつともいえますね。
ワイヤーの種類について
アクセサリーでのワイヤーワークはデザインによってかなりの種類から使い分けることになります。
ワイヤージュエリーといわれている作品では、留め金具や繋ぎあわせる部分、石留めの台座まですべてをワイヤーで制作するため太めのワイヤーを主体としています。
ビースであったり小さいパーツを駆使してデザインするような場合は細く扱いやすいワイヤーを選びます。
アクセサリー用のワイヤーは銅や真鍮線にシルバーやゴールドをメッキし、更に表面をコーティングすることで劣化を防いでいるものがほとんどです。
そして、海外メーカーが主流で、時代によって流行り廃りがあります。
アーティスティックワイヤー
最近のパーツ屋さんでは、アーティスティックワイヤーが幅を利かせています。アメリカのメーカーで銅を芯に銀色はシルバーメッキ、金色のはゴールドメッキ以外に、芯にブラス(真鍮)やガンメタ(銅)の色をそのまま使い色を活かした商品もあります。
コーティングはエナメル加工の上にポリウレタンと二重コーティングのため色の劣化を防いでいるようです。
線の太さは種類が多く、ナンバーが大きいほうが太いワイヤーとなっています。
主に「パーツ留めは、#28(0.3mm)or #26(0.4mm)」が、使いやすく「めがね留めは、#24(0.5mm)or #22(0.6mm)」くらいの太さをおすすめします。
その他に「フラットワイヤー」と言って断面が薄い帯状のワイヤーや、あらかじめ「ツイストされたワイヤー」断面が半円になっている「ハーフラウンドのワイヤー」もあり、アーティスティックワイヤーだけでも充分に様々な用途に向いています。
ジュエリワイヤー・カラーワイヤー
「ジュエリーワイヤー」と「カラーワイヤー」は古くからある、アクセサリーやクラフト用のワイヤーです。
こちらも銅線や真鍮線にゴールドメッキやシルバーメッキされたワイヤーで、カラーナイロンのコーティングが施されています。そのため金銀以外のカラーも豊富といった特徴があります。
ジュエリーワイヤーもスクエアやハーフラウンドといった形状が販売されいるので、ワイヤージュエリーの制作には網羅できる豊富な種類が取り揃えられています。
ヨーロピアンワイヤー
スイス製の高品質ワイヤーは「ヨーロピアンワイヤー」という名で販売されています。
銅の上に銀とポリウレタンエナメルでコーティングで、変色に強くアレルギーも出にくい素材のようです。
シルバーやゴールドは、他のメーカーより綺麗な発色のため、ワイヤーをメインに見せたいデザインのアクセサリーの場合は、ヨーロピアンワイヤーを使うと良いでしょう。
ヨーロッパのジュエリーデザイナーも使用するほどの品質はお墨付きです。
ナイロンコートワイヤー
ネックレスやブレスレットのような作品で、重さのあるデザインの場合は、テグスより「ナイロンコートワイヤー」を使います。テグスよりハリがあり丈夫な素材なので、ガラスビーズをふんだんに使用したネックレスなどにおすすめです。
ただし、ナイロンコートワイヤーをむき出しで、金具に擦れるような部分に使用しないほうがよいでしょう。金具に直接触れる箇所では、ナイロンコートがはげてしまい中のワイヤーも極細の線が1本1本が切れやすくなります。
色の薄いビーズやパールの場合も、ワイヤーがあたる穴の部分が黒ずんでくるため、あまりおすすめしません。
テグスの種類について
アクセサリー用のテグスは釣り用とは異なり、全体的に細いものが主流です。
素材によって強度に差があるので作品によって使い分けることをおすすめします。
使いやすいサイズは 6号(0.4mm)が、ネックレスやブレスレットに 、そして4号(0.23mm)くらいが、一般的に土台にパーツを編み込むような作品に向いています。
アクセサリー用は、ナイロン製がほとんどで、大抵の作品に使用できるので素材は参考までにご覧ください。
同じ、ナイロン製のテグスでも強度の種類があり、メーカーによっても異なります。TOHOさんのテグスは使い勝手と強度に定評があるのでおすすめします。
ナイロン製
安価で少し伸びるので結び目がしっかりできるのが特徴。ただし紫外線や湿度に弱く、傷がつくと耐久性が低下します。細かいビーズワークのデザインに向いています。
フロロカーボン製
ハリがあり劣化しにく素材です。結びに留めには弱く締まりがないので素材を固定するような場合には向かず、ネックレスやブレスレットのような連の作品に使用するのがよいです。
ポリエステル(ホンテロン)製
伸縮性がなく硬い素材。クセがつきにくく紫外線や摩擦につよく、透明なワイヤーのようなイメージ。しっかり固定するデザインモチーフに向いています。
その他の素材
ゴムのように伸縮するオペロンやアンタロンという素材があり主に、パワーストンブレスレットに使用することが多いです。
ワイヤーとテグスの使い分けのまとめ
ではアクセサリーの制作でワイヤーとテグスはどのように使い分ければ良いのか?
透かしパーツやシャワー台にたくさんのパーツを取り付けて、立体感を出すようなデザインではテグスが向いていると思います。なぜならパーツ通しが重なり合ったり土台よりはみ出して設置するため、繋ぎとして透明のテグスのほうが目立たず綺麗に仕上がるからです。それに小さなビーズは伸縮性のあるテグスのほうがまとまりと固定がしっかりします。
金属のパーツ同士の固定や形をしっかり出したいモチーフの場合はワイヤーが良いですね。透かしパーツを2枚合わせて使用するコスチュームジュエリーの技法ではワイヤーでないと上手くいきません。
ワイヤーとテグスの使い分けは、裏面の処理やパーツの固定強度や素材との相性を考えて作品ごとに使い分けを研究しながら、ご自身にあった方法をとるのが一番だと思います。より良い作品になるよう研究してみるのも楽しみのひとるではないでしょうか?