婚約指輪や結婚指輪を決めようと、いろいろなブランドを調べてみるときに、とりあえず有名どころを抑えてみよと思いませんか? ひと通りの知識を入れてから、二人にあったブランドを見つけていくことが大切ですね。
そして、ハイジュエリーの名高いブランドを探そうとすると「世界5大ジュエラー」とか「グランサンク」という言葉がでてきます。どちらも、それぞれ世界的な5つのジュエリーブランドまたは、ジュエラーには違いないのですが、まずは「グランサンク」ってどういう意味なのでしょう?
パリのグランサンクは老舗ハイジュエラー
「Grand Cinq(グランサンク)」は、偉大な5つのという意味のフランス語となります。そして、ジュエリー界では、グランサンクと言えば、パリのヴァンドーム広場に集まる老舗ジュエラー(宝飾店)のことです。
フランス語で、グラン(Grand)=偉大な・壮大な・最も大きなという意味で、サンク(Cinq)=数字の5を表します。英語では「Great Five」のような感じですね。
グランサンクは、フランスの高級宝飾協会が、パリ5大宝飾店と認めた5つの老舗拝ハイジュエラー「メレリオ・ディ・メレー(MELLERIO dits MELLER:1613年)・ショーメ(CHAUMET:1780年)・モーブッサン(Mauboussin:1827年)・ブシュロン(BOUCHERON:1858年)・ヴァン クリーフ&アーペル( Van Cleef & Arpels:1906年)の5社を指します。
このフランスの、5つのジュエラーは、歴史の深さと伝統的な技術を培った世界に誇れる、選ばれしハイジュエラーです。「世界5大ジュエラー」と言われている、ジュエリーブランドとは、また少し違っていることから、あらためて、別で記載しています。
メレリオ・ディ・メレー(MELLERIO dits MELLER)
パリのグランサンクのなかで、世界的に最も古いジュエラーが「メレリオ・ディ・メレー(MELLERIO dits MELLER)」です。
パリ万国博覧会で金賞を受賞するほどの、世界の王室御用達のジュエラーですが、最初の顧客は、マリー・アントワネットでした。ヴァンドーム広場のラ・ペ通りにあるアトリエは、現在でも数々のジュエリーを生み出しています。
1613年に、イタリア北西部地域にあるヴァレ・ヴィゼッツォ地方出身のジャン=バティスト・メレリオが、創業したメレリオ・ディ・メレーは、ヴェルサイユ宮殿にジュエリーを持ち込んだところ、マリー・アントワネットのお気に入りになり、その後には、ナポレオン皇帝の妻ジョゼフィ―ヌ皇后も顧客になっています。その他にもスペイン・オランダ・イタリアの王室御用達となり、日本でも皇太子妃雅子様「ヌフ・ウォッチ」を愛用されています。
ショーメ(CHAUMET)
1780年に、マリ=・エティエンヌ・ニトによって創業者され、後継者のジョセフ・ショーメによって1885年に、ショーメ(CHAUMET)と名乗っていいます。
ショーメは、皇帝ナポレオンの初代公式ジュエラーとして、威厳と権力を象徴するような数々の豪華なジュエリーを制作したのちに、4代目のショーメは豪華絢爛なデザインから、美しい自然をモチーフとしたデザインへと移行していきます。
また、イギリス王室御用達としてジュエラー認定され、ヴィクトリア女王が顧客になっていたり、日本ではブライダルジュエリーとして広く知られていたり、ティアラや結婚指輪から高級宝飾時計まで、過去の宝飾品をモチーフにして自然派で優美な宝飾品を制作し続けています。
モーブッサン(Mauboussin)
1827年に、宝石細工師のロシェが創業のモーブッサン(Mauboussin)は、のちにジョルジュ・モーブッサンが経営責任者となり、名称をモーブッサンにしています。
パリ万国博覧会での金賞受賞から一躍有名になり、世界流行した、アール・デコ調のスタイルで、王族に愛されるハイジュエラーです。大手の傘下にはいらず、現在に至るまで独立経営を貫いてモーブッサンの文化を受け継いでいます。
オリジナリティと芸術性の高いジュエリーは、常に革命的で新しいデザインで、世界中の女性たちを虜にしており、モーブッサンはオートクチュールとあわせてファッション界からも、知名度をあげていきました。
ブシュロン(BOUCHERON)
グランサンクの中で、どこよりも早くにヴァンドーム広場に店舗を構えた、ブシュロン(BOUCHERON)は、1858年に、フレデリック ブシュロンによって創業されました。
特徴的なデザインの斬新さや独創性が、多くの貴族やハリウッド女優に好まれ愛されています。
ダイヤモンドへの彫刻、異素材を組み合わせたジュエリーなど常に革命を起こしながらジュエリー界を牽引して、美を追求しているブシュロンは、メンズ用にデザインしたものが、女性に人気が出てしまうほどです。
1988年のフレグランスの発表以降、アレキサンダーマックイーンとのコラボレーションで「ノヴァック・バッグ」をラ・メゾン・デュ・ショコラとのコラボレーションでは「チョコレートとダイヤモンドのハイジュエリー」を発表するなど、時代の先を歩み続けています。
ブシュロンの代名詞と言える定番の「キャトル」コレクションは、結婚指輪としても大変人気です。
ヴァン クリーフ&アーペル( Van Cleef & Arpels)
モナコ公室御用達のヴァン クリーフ&アーペル( Van Cleef & Arpels)は、1895年に宝石細工職人の家に生まれたアルフレッド・ヴァン クリーフと宝石商の娘エステル・アーぺルが出会い結婚することで、生まれたハイジュエラーです。アルフレッドと義兄シャルルで、1906年正式にヴァン クリーフ&アーペルを設立しました。
1925年パリの装飾芸術国際博覧会グランプリ受賞を皮切りに数々の受賞歴や、ジュエリーを留める爪を極限まで隠した「ミステリーセッティング」を発表し特許を取得するなど高い技術で魅了し続けています。
古くは女優マレーネ デートリッヒが、アンバサダーと努め撮影で、ヴァン クリーフ&アーペルのジュエリーを好んで身につけていたり、モナコ王妃のグレースケリーのエンゲージメントセットを手がけていたりと、王室からセレブなどに愛用者が多いハイジュエラーです。
日本でもヴァン クリーフ&アーペルを身につけるモデルや芸能人が多く、アルハンブラは大変人気があります。
パリ グランサンク(5大宝飾店)のまとめ
長い歴史と伝統的な高い技術を現代にも受け継ぐ、パリ老舗の5つのハイジュエラー「グランサンク」のそれぞれのブランドの概要を紹介しました。
どれも他に類をみない独創的かつ斬新で高品質なジュエリーを生み出し、現代にまでその存在で魅了し続けている大変魅力的なジュエラーですね。
ひとつひとつのブランド紹介は、また別途ご案内していきます。